映画『スパイの妻』で話題の黒沢清監督の代表作の一つ『カリスマ』に注目

国内だけでなく世界的に評価されている黒沢清監督。
最新作である公開中の『スパイの妻』は、第77回ヴェネチア国際映画祭で監督賞である「銀獅子賞」を受賞して話題となった。
これまで20本以上の作品を手がけている黒沢監督の代表作の一つである『カリスマ』を紹介しよう。

一本の木を巡って熾烈な闘争が巻き起こる

担当した事件で犯人も人質も死なせてしまい、心に深い傷を負った刑事の藪池。
そんな藪池は、ふらりと訪れた森で不思議な木と出会う。
それは根から毒素を分泌するために周囲の木々を枯らしてしまう、“カリスマ”と呼ばれる木だった。
他の木を守るために“カリスマ”の伐採を主張する者と、“カリスマ”の方を守ろうとする者が対立しており、住人たちの闘争は悪化していく。

黒沢清監督の熱狂的なファンに支持される名作

黒沢清監督の代表作と言われてまずはじめに挙げられるのが、フランスなど海外で注目されるきっかけとなった『CURE』だろう。
そして、『CURE』とならんで熱狂的なファンに支持されるのが『カリスマ』だ。
1999年の作品ながら、いまもなお黒沢清監督作品を語る上では言及される作品だ。

心に引っかかる“居心地の悪さ”が魅力的

黒沢清監督の作品は意味深なカットや演出が登場するすることがしばしばあり、心に引っかかって見ていて居心地が悪くなることがある。
その居心地の悪さが逆に快感で、何を意味するのか、そもそも自分は何が気になったのか、突き詰めていきたくなるのが魅力。

秋の夜長にメタファーを考察するのも一興

タイトルにもなっている“カリスマ”自体も不思議な存在。
毒で周囲の木々を枯らしてしまう1本の木のことなのだが、その影響力と“カリスマ”という名前の割には、それこそカリスマ性のないヒョロッとした平凡な木なのだ。
その不可思議さを見ているだけでも可笑しみが湧いてくるのに、登場人物たちは真剣にその木を巡って熾烈な闘争を巻き起こしていく。
そして迎える圧巻のラスト!
表層的なストーリーだけでも面白いし、そこに託されたメタファーを考察するのも面白い。
秋の夜長に考えを巡らせるのも一興だ。

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(情報は記事公開時点のものです)

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