一般人が宇宙人に覚醒!?三島由紀夫原作の『美しい星』は異色のSF映画
Ⓒ2017「美しい星」製作委員会

日本を代表する小説家・劇作家として「潮騒」「金閣寺」ほか多数の代表作を持つ三島由紀夫。
さまざまな言語に翻訳され、没後50年たった今でも世界中で愛されるミシマ文学の中で異彩を放つSF小説「美しい星」を、『桐島、部活やめるってよ』(2012年)、『紙の月』(2014年)の吉田大八監督が映画化。
賛否両論さまざまある原作小説を、ユーモア漂う新感覚エンターテインメントに仕上げている。

三島由紀夫×吉田大八、2ジャンルの鬼才がタッグを組んだ異色のSF

ある日突然“宇宙人”として覚醒した一家が、地球の危機的状況に警鐘を鳴らす本作。
三島由紀夫がとりわけ愛着を持っていたという1962年発表の原作小説では、東西冷戦時代の日本を舞台に、当時の関心事だった「核兵器の脅威」を背景として物語がつむがれる。
一方映画では、公開年である2017年からほんの少し未来を舞台に、「地球温暖化&人口増加によるエネルギー危機」を新たなる脅威に据え、よりグローバルな視点へとアップデート。
難しい時代を生きる現代人に贈る、ちょっぴり不思議な人間賛歌として描いている。

冴えないお天気キャスターが、ある日突然覚醒…!?

“当たらない”ことで有名なお天気キャスターの大杉重一郎(リリー・フランキー)は、ある夜、空飛ぶ円盤に遭遇したことで自分が”火星人”であることを自覚する。
地球人の母・伊余子(中嶋朋子)が心配する中、重一郎に続き、フリーターの息子・一雄(亀梨和也)が“水星人”、美しすぎる女子大生・暁子(橋本愛)が“金星人”として次々に覚醒。
美しい星=地球を守るという使命を全うするため、それぞれに奮闘する。
そんな中、事態が動かず焦る重一郎は、世間をあっと言わせる騒動を起こしてしまう…。

重一郎に敵対する男を佐々木蔵之介が怪演!

本作ではリリー・フランキー、亀梨和也、橋本愛、中嶋朋子ら実力派俳優が宇宙的視点を持つ登場人物たちを演じ、それぞれの個性が引き立つ絶妙なアンサンブルを奏でている。
また、大杉一家の前に立ちふさがる政治家の第一秘書・黒木を佐々木蔵之介が怪演。
そのスゴ味のある淡々とした演技が物語に緊迫感を生じさせていると共に、重一郎たちの嘘とも真とも判断のつかない“宇宙人化”にリアリティを与えている。

衛星劇場

2020年11月9日(月)10:00~12:15
2020年11月21日(土)20:15~22:30
2020年11月26日(木)11:15~13:30

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