クリストファー・ノーラン版バットマンの最高傑作【ダークナイト編】
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DCコミックスのヒーロー・バットマンを主人公とし、世界中で高い評価を受けているクリストファー・ノーラン版バットマンこと「ダークナイト・トリロジー」。
そうした評価の背景にはただの実写映画化として主人公のバックボーンを深堀りしただけでなく、貧困社会が生む闇や時に暴走する正義の恐ろしさをクリストファー・ノーランが見事に描き切っているからだと筆者は考えます。
そんな「ダークナイト・トリロジー」の見どころを【バットマン ビギンズ編】【ダークナイト編】【ダークナイト ライジング編】の3回にわたってお届け。
今回は3部作の中でも最高傑作と名高い「ダークナイト」を紹介します。

ヒーローが登場したゴッサム・シティの正義が試される

前作『バットマン ビギンズ』でゴッサム・シティに広くその存在が知られることになったバットマン。
『ダークナイト』では、バットマンというヒーローが登場した街に訪れる新たな脅威・ジョーカーとの攻防を通して“正義と悪”の関係が強く描かれています。
それを象徴するような「どんな高潔な人間も簡単に悪に染まることを証明する」というジョーカーのセリフは、シーンも相まって印象に残る人も多いのではないでしょうか。
人々を秩序というルールから解放しようとするジョーカーと、人々と秩序を信じて抗うバットマン。
二人の攻防の果てに、ゴッサム市民が最後にとる行動は思わず息をのんでしまいます。
そしてもう一人、『ダークナイト』での正義と悪を象徴しているのが検事のハービー・デント。
デントは正義感にあふれた人物で、彼の理想や行動にはバットマンことブルース・ウェインも感銘を受けて「ゴッサムが求める真のヒーロー」と評すほど。
ゴッサム・シティから組織犯罪を無くそうと奮闘するデントにジョーカーの魔の手が段々と迫ってくる展開は目が離せません。
『ダークナイト』は正義VS悪という単純な勝ち負けの対立構造を描いているのではなく、(たとえヒーローであろうと)誰の中にも正義と悪は両方存在していること、そもそも正義とは何なのかということを投げかけてきます。
ただの実写化作品としてだけでなく、複雑なクライムサーガとして成立していることが『ダークナイト』が最高傑作と評される理由と言えるでしょう。

没後、アカデミー賞を受賞したヒース・レジャー

『ダークナイト』でジョーカーを演じたヒース・レジャー。睡眠薬などの薬物併用接種による急性薬物中毒で『ダークナイト』公開前に28歳という若さで惜しくもこの世を去ってしまいましたが、彼の怪演は後にアカデミー助演男優賞の受賞に代表されるように高い評価を得ました。
ジョーカーを演じるにあたり、約一ヶ月間ホテルにこもって独特の声の出し方や笑い声を研究したというヒース・レジャー。
その過酷ともいえる徹底した役作りによって、1989年の映画『バットマン』でジャック・ニコルソンが演じたジョーカーとは全く異なるジョーカー像を創り上げたというだけでなく、よく描かれるようなヴィラン像とも異なるサイコパス的な新しいヴィラン像を創り上げました。
その様子は、彼と親交の深かった人物へのインタビューやヒース自身が撮影した映像などによって構成されたドキュメンタリー『I AM ヒース・レジャー』で垣間見ることができます。

『ダークナイト(闇の騎士)』の意味とは?そして物語は最終章へ 

前作『バットマン ビギンズ』に対して今作のタイトルが『ダークナイト』である理由は何なのか?
ハービー・デントこそゴッサムが求める真のヒーローと語っているように、バットマンには人々の正義や秩序を信じたいという思いがあります。
バットマンは終盤にとある理由から警察に追われることになるのですが、それも自身が汚れ役を引き受けることで、ゴッサム市民自らが正義や秩序を築いていくことを望んだため。
すなわち彼は、表立って活躍するヒーローではなく、影から見守る闇の騎士であることを選ぶのです。
そんなバットマンとゴッサム市民をさらなる脅威が待ち受けるのですが、それは次回作でのお話。
それでは【ダークナイト ライジング編】でお会いしましょう。

ザ・シネマ

[字]2020年7月4日(土)18:15~21:00
[吹]2020年7月9日(木)12:30~15:15
[字]2020年7月9日(木)21:00~23:45
[字]2020年7月25日(土)18:15~21:00